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ネガティブガール、川

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 二週間が経った。
 彼はいつもの通りに私に接している。「種明かし」はまだしてくれていない。それどころか、あの日のことにも一切触れようとはしなかった。私も彼に今までと同じように接しているけれど、いつも何処かふわふわとしていた。頭にクッションを置いている、そんな感覚だった。
 二週間経ってまだ「種明かし」してくれないなんて! 私は考える。いくら何でも遅すぎるだろう。彼は忙しいのだろうか? それとも、私の絶望感を大きくするための仕掛けでも作っているのだろうか?
 考えていると、ふとひらめいた。もしかして、彼は、私がもっと動くことを望んでいるのではないだろうか?
 そうだ、きっと答えを出したら終わるんだ、と思った。家に帰ったら、あの後彼に教えてもらったメールアドレスにYESの返事を送ろう。YESの方が、彼は楽しめるはずだ。



 次の日私が教室に入るなり、彼が私の名前を呼んだ。心なしか、彼の笑顔はいつもよりも明るい。とても楽しそうだった。彼は私をどん底に落とすのが楽しみなのだろう。今度こそ、その時が来たのだ。やっと私を落としてくれる。私は彼におはようと言い、彼の次の言葉を待った。
 彼は私に微笑んで、言った。

「良かった! 二週間も返事くれないから凄く不安だったんだ。今日から、一緒に帰ろう」

 その言葉を聞いて、私は泣きそうになった。ああ、彼はまだ私に「種明かし」してはくれないのだ。遂に、「恋愛ごっこ」まですることになってしまった。
 彼は大丈夫なのだろうか? それにしても、そこまでさせる仲間は、少し酷すぎやしないだろうか。もしかして彼は虐められているのだろうか……?
 私はその日一日中、ぐるぐるとそんな思考ばかり繰り返した。
 私の自分勝手な感情は、もう、捨てることが出来たと思う。