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私のやんごとなき王子様 真壁編

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 調理室に揃った先生方と私達生徒は、一番前で大きな段ボールを抱える真壁先生の様子を見守った。先生はその段ボールの中から黒い物体を取り出し、こう言った。

「今日は浜辺でバーベキューを晩ご飯にしようと思います!」
「ええっ!?」

 驚きの声が一斉に上がる。先生が持っていた黒い物体は木炭だったのだ。

「倉庫にバーベキュー用のコンロがあるんで、それを浜に運ぶ班と材料を切る班と火をおこす班に分けます。後片付けは生徒達にさせるので、よろしくお願いします!」

 なるほど、極力簡単で美味しく、尚かつ楽しいという究極の選択って訳だ。

 私は真壁先生の愉快な思考力に納得した。
 他の人達も全員納得したらしく、さすが先生達の集まり。あっという間に班分けされ、仕事に取りかかった。

「よし、行くぞ。小日向」
「あ、はい!」

 私は真壁先生と二人で組んで浜でコンロの火おこし班になっていた。いつどうやって決まったのか分からないけど、先生と一緒っていうのがすごく嬉しい。

 ……私って現金だな。

 浜辺にずらりと並んだバーベキューコンロはなかなかに壮観だった。
 まるで黒いカニみたい。
 なんて馬鹿な事を一人思う。

「よし、着火材くれ」
「はい」

 先生は着火材に火をつけ、段ボールから木炭の小さいものから順に選んで積んで行く。