彼女のトモダチ
千笑の本音に、美波はただ泣きそうな千笑を見つめていることしか出来なかった。
そんな美波に、千笑は言葉を続ける。
「私は、美波の友達でいる資格がない……だけど、同じクラスになって話すきっかけが出来たと思ったら、途端に声かけてた。出来ることなら、今まで美波にしてきたこと、なかったようになればいいって……だけど、そんなことが出来るわけないもんね……でも、これが最後でも、謝りたかったの。彼氏よりなにより、ずっと一緒にいた美波と離れて、私は取り返しのつかないことをしちゃったんだって……」
そう言った千笑の目から、涙が零れ落ちた。そんな千笑を見て、美波の目にも涙が浮かぶ。
「ごめん、千笑……私も千笑のこと、何もわかってなかったんだ。いくら部活が忙しくても、ちゃんと話し合うことは出来たのに、千笑がそんなに悩んでるなんて知らなかった……いつもだったら、好きな人が出来たら、ちゃんと話してくれてたのに……私、嬉しかったよ。千笑が話しかけてくれて」
美波もそう言いながら、千笑の手を握った。互いの温もりが通じる。今までの苦楽が、一瞬にして思い出される気がした。もう、言葉はいらなかった。