私のやんごとなき王子様 三島編
6日目
快晴快晴!
真っ青な空と海をどこまでも広げる景色を見つけて、私は大きく息を吸い込んだ。
昨日は三島君の頭の回転の速さとか節度ある応対を見て、私ももっとしっかりしなくっちゃって自分を奮い起すきっかけが出来たり、実りのある一日だったな。
今日も私達実行委員の面々は、朝から三島君の指示の元、あちらの担当、こちらの監督と宿舎中を飛び回っていた。
昼前になったので実行委員本部に戻り、それぞれ午前中の報告をしていると実行委員の監督の先生から素敵な提案を聞かされた。その内容というのが、
「午後から夕方まで、海でリフレッシュしたらどう?」
というもの。
これから本格的に内部だけでなく外部との密な連絡や、会場や当日の打ち合わせに力が入って行くから、皆どこかしらピリピリとした緊張感がずっとあったんだけど、それをほぐすという目的みたい。
もちろんその提案に真面目な実行委員の面々と言えども、ほぼ全員が大喜びで賛成した。
ほぼ――というのは、三島君が浮かない顔だったからだ。そっか、確か三島君って泳ぐのは苦手だったはずだ。
けれど三島君は皆の喜ぶ顔を見ると、同じように賛成を表した。
作品名:私のやんごとなき王子様 三島編 作家名:有馬音文