私のやんごとなき王子様 三島編
「それと……、もう一つはプロが裏方をというお話ですが、これは絶対にあり得ません。なぜならそのような事をしてしまえば、僕達は星越学園の生徒であるという誇りを失うからです。そのような志の低い者はこの学園にはいません。以上ですが、他に何か?」
余りにも完璧なその答えに取材の人達も思わず固唾を飲んで、聞き入っていた。やっぱり三島君は凄い!
「いえ、十分です」
「貴重なお話を有難うございました」
最初は少し子供扱いしていたような人たちでさえ敬語を使い、三島君に向ってペコリと頭を下げると何枚か写真を撮って、退室していった。
「す……すごいね! 三島君っ」
私はそれが何だか嬉しくて思わず大きく手をならしてしまう。
「ははっ、大したことじゃないよ」
三島君はそう言うと、私に向ってにっこりとほほ笑んでくれた。その表情は少しだけ誇らしげだ。
それが素直に嬉しくて、ますますやる気が湧き上がってきた。よっし! 絶対成功させるぞ〜〜!
その日私は日が暮れるまで、あちらこちらとの連絡係として奔走した。
作品名:私のやんごとなき王子様 三島編 作家名:有馬音文