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私のやんごとなき王子様 利根編

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 昼食の後、少し食休みを取ってから私達小道具担当は皆揃って海に来ていた。
 さすがプライベートビーチ。私達以外には誰もいない! なんて気持ちがいいんだろう!

「う〜〜〜〜ん、気持ちいい!」

 気分爽快とはまさにこのこと。私はビーチで思いっきり伸びをした。
 水着は新調出来なかったから去年と同じものだけど、気に入ってるから良しとしよう。
 辺りを見回すと、皆それぞれビーチバレーを楽しんだり、海に入って泳いだり思い思いに楽しみ始めている。

 ふふ、楽しそうだな。――あ……
 ぐるりと辺りを見回していると、利根君がこちらへやって来るのが見えた。
 水着姿の利根君を見たのは初めてで、その姿にドキリとする。
 シャツを羽織ってるけど、全部開けられたそのシャツの隙間から見える肌は華道のイメージ通りで、白くて綺麗で、日焼けしたら溶けちゃうんじゃないかなんて心配になっちゃうくらいだった。

「小日向さん、どうしたの?」

 私の隣りまで来ると、利根君が首を傾げた。
 溶けちゃうって思ってたのが顔に出てたのかな?

「ううん、利根君日焼け大丈夫かな? って思っただけ……」
「日焼け? どうして?」
「いや、なんとなく大丈夫かなって」

 やだもう、何言ってるんだろ私。

「ああ、もしかして俺が色が白いから、日焼けして倒れちゃうんじゃないかとか心配してくれてるの?」
「あっ、えっと、その……」

 可笑しそうにクスリと笑うと、利根君は手で影を作って太陽を見上げた。

「今日は日差しが強いからね。俺は焼けてもすぐ戻るから平気だけど、小日向さんの方こそ大丈夫? 昨日の夜ちょっと顔色悪かったみたいだけど」

 そう言って次に心配そうにじっと私の目を見つめる。

「大丈夫だよ。昨日は取材の人に圧倒されてちょっと疲れたのかも」
「そっか、あんなに大人に囲まれる事なんてないもんね……小日向さんの水着、すごく可愛いね。とっても似合ってる――っと。これってもしかしてセクハラかな?」

 いつも笑ってる利根君は本当に素敵だ。いつもいつもこうやって優しい言葉をかけてくれて。

「え? 本当? ふふっ、ありがとう。利根君にそう言ってもらえると、すごく嬉しい」

 私も素直な言葉が出て来る。