私のやんごとなき王子様 利根編
反論しようとした所で利根君に言われ、時計を見ると丁度いい時間になっていた。
「本当だ。じゃあクッキーはおやつだね。利根君もおやつ一緒にどう?」
ちゃっかり利根君を誘うあたり、さなぎってば利根君ファンを自称するだけの事はあるな。
利根君も笑顔でじゃあお言葉に甘えようかな。なんて言いながら、自然と3人で食堂へ向かうことになった。
今日も仕事は山積みだけど、こうやって利根君が細かい気配りをしてくれるから本当に助かる。
私の前を、ちょっぴりテンション上がり気味のさなぎと楽しそうに話しながら歩く利根君の後ろ姿を見つめて、私は小さく微笑んだ。
作品名:私のやんごとなき王子様 利根編 作家名:有馬音文