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私のやんごとなき王子様 利根編

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5日目


 理事長所有の島に到着した私達は、慌ただしい初日をなんとか終了した。


 そして翌日―――

 朝食を食べてから、すぐに担当毎の仕事が待ってる。
 私は今日の予定を確認しながら、昨日利根君からもらったデザイン画を穴があきそうな程睨んでいた。

「美羽〜、お腹空いたあ〜」

 同室であるさなぎの情けない声に笑いながら、デザイン画を元に裁断した生地を確認する。

「もう少し我慢して。朝食は8時からなんだから」
「我慢出来ない。血糖値が下がりすぎて頭クラクラする……あ、そうだ! やっちゃんがお菓子大量に持って来てたんだ! 私、ちょっとやっちゃんのとこに行ってお菓子ゲットしてくるね!」
「えっ? ちょっと、さなぎ!」

 言うが早いか、さなぎはベッドから飛び起きて部屋を飛び出してしまった。
 自分も大量にお菓子を持ってきているくせに、友達にたかりにいくなんて食い意地が張り過ぎだ。

「まったくもう……」

 私が呆れて呟くと、部屋をノックする音が聞こえた。

「はい、どうぞ〜」

 まさかさなぎじゃないよね。早すぎるし。
 そんな事を思っていると、部屋に入って来たのはなんと利根君だった。

「おはよう、小日向さん」
「えっ? あ、お、おはよう、利根君! どうしたの?」
「うん、ちょうど部屋を出たら佐和山さんに会ったから、小日向さんも起きてるかなって思って」
「うん? あ、お部屋向かいだったっけ?」
「そうなんだ。今日の作業の流れをちょっと話そうと思ったんだけど、大丈夫かな?」

 そんな綺麗な笑顔で言われたら大丈夫以外の言葉が出る訳ないよ。
 私は元気に頷いて部屋の隅に配された椅子を利根君に勧めると、二人で衣装や小物を作る手順を話した。

「ただいま〜。クッキー貰って来た……あっ! 利根君、来てたの!?」

 しばらくするとさなぎが戻って来て、利根君に気付いて慌てて髪の毛を整えた。

「お帰り、佐和山さん。お邪魔してるよ……ご飯の前にクッキー食べるの?」
「えっ!? あ、えっと、あはは。ちょっとお腹空いちゃって、ね、美羽?」

 なんで私に同意を求めるのよ! お腹空いたって言ったのはさなぎだからね!

「でもそろそろ時間じゃないかな?」