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学校でやった怖い話

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四、 車

 車、とか。そういう系の怪談は尽きないわけで。
俺はまだ免許取れる歳じゃないし、俺が聞いた話を少し。
 年上の友達の話。その人は免許持ってて、自分で車を運転してどこにでも行く。だいぶ前に聞いた話だから、細かいことは忘れたけど、バックミラーを見たら、知らない人が後部座席に乗ってる。その、ミラーにしっかり映ってるんだって。あれ? って思って、振り向いたら、もちろん、誰も居ない。
百物語じゃ語り尽くされた話かも知れないけど、これは地味に怖い。
 もうひとつ。これは俺の母さんの話。
母さんは昔から霊感があったらしくて、よくそういう話をしてくる。看護師さん、ってのがまた嫌だよな。病院って、やっぱりいっぱい居るんだって。
ま、今回は車の話だけど。俺がまだ生まれてないとき、母さんと父さんがどっちだかの実家に車で帰って、その帰り道。行きにも通った道だけど、夜遅く真っ暗で、峠道がどうも『嫌なかんじがする』。
父さんも、母さんに霊感があって、たまにだけどそういうのにからかわれることがある、って知ってる。だから、『俺が運転するわ』って、言ったんだ。昼には出たけど、峠道に差し掛かったのはやっぱり夜だった。嫌なかんじは抜けきらないけど、今回は父さんが運転してるし大丈夫だろうって。峠道を過ぎ、しばらくは暗い森の中の一本道。何事もなく通り過ぎたことに少し拍子抜けしながらも、安堵していた。一本道を迷いなく進んで行く。ずっと、ずっと、ずっと……何かおかしい。これだけの時間を走ってるのに、全然森を抜けないんだ。
父さんも母さんも、『これは、』と思った。そう思って、父さんは何も言わずにいったん車を止めたんだ。二人して、一息つくと、そこは峠道のど真ん中だった。
王道系のよくある話だけど、そんな体験を実際にした身内がいるってのが、俺の一番の怖い話。


作品名:学校でやった怖い話 作家名:塩出 快