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学校でやった怖い話

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二、 ひっぱられた

 中学校の時なんだけど、夏休みの講習かなんかで、昼間っから塾にいたの。夏だし、いつもは太陽さんさんで、暑くて暑くてたまらないのに、その日はいいかんじに曇ってて涼しかったから、パーカーを着てた。夜から雨が降るって予報だったし。
 涼しかろうが、中学生の集中力なんてそんなもんで、授業が始まって二十分くらい経ったらもう完全に飽きちゃって、先生の話なんか全然聞いてないで、ぼけーっと窓の外を見てたんだけど。
 くいっ、てフードを引っ張られたの。パーカーのフードね。
私、一番後ろの席なのに。ビックリして、振り向いたんだけど、やっぱり誰もいなくて。フードが引っかかるようなものもないの。二歩くらい離れたところに、かび臭い掃除用具入れがあるだけで。いったい、何だったんだろう。
 このことを同じ塾に通う友達に話したら、わたしも引っ張られたことあるよ、って。その子、なんかちょっと霊感ある家の子だったんだけど、あの教室、なんか居るんだよね。ってさ。



三、 霊感のある友達

 さっきの子の話じゃないんだけど、霊感ある、って友達の話でね。
その子のお家は、基本的に、女の人は霊感が強いらしくて。あ、母方の家らしいんだけど、そんな母方の実家は本当に古い木造のお家で、あんまり使わない部屋に続く廊下の、暗がりのほうに、昔からお侍さんがいるんだって。イメージとしては、合戦に来てくみたいな鎧フル装備でね、落ち武者みたいなかんじなんだって。その友達がお母さんにそのことを言ったら、そのお母さんが小さい頃からずっとそこに居るんだって。結局だれなのか、とかはわかってないんだけどさ。あんまり怖いひとじゃないんだって。その、実害がある、ってわけじゃなくて、本当にただそこにいる、ってだけらしいんだ。わたしはそれだけでもう怖いけどね。
 その子が住んでたお家の話だとね、その子にはお姉ちゃんがいたから、お姉ちゃんと二人部屋だったんだって。その部屋の窓がね、怖いんだって。怖いから、昼でも夜でもカーテン閉めっぱなしにしてるんだけど、ふと何となしに窓のほうを見て、カーテンが少しでも開いてたりしたら、覗いてるんだって。
外から部屋の中を覗いてくるのよ。まあ、二人の部屋は一階だから、通りがかりの人でもなんらおかしくないんだけど、やっぱり生きてる人じゃないってのが、その子と、その子のお姉ちゃんにはわかるの。
で、その人がすごく怖いんだって。さっき言ったみたいに、ただ居るだけで実害のない、ってのもいるんだけど、その覗いてくる人は確実に『怖い』って存在らしくて。
 もうその子は引っ越しててね、その家には住んでないんだけど、家自体は借家になってて、今は別の人が住んでいるみたい。夜にその家の前通ったら、電気点いてるもの。でも本当に、生きた人が住んでいるのかしら……? なんてね。

作品名:学校でやった怖い話 作家名:塩出 快