私のやんごとなき王子様 波江編
「僕は姉がいるんですけど、その姉に『これからの男は料理位できなきゃダメだ!』って言われて、よく母や姉の手伝いをしているんです」
そう言って可愛らしい笑顔を私に向ける。
「そっかぁ、それで。潤君ならいつでもお婿にいけるね」
「えぇ!? うわぁっ!」
私の発言に驚いた潤君が、派手にじゃがいもを転がした。
「じゅ、潤君!?」
「す、すみません〜〜!!」
調理台に転がったじゃがいもを拾う潤君の顔は、耳まで真っ赤だ。
私、そんな変な事言っちゃったかな?
作品名:私のやんごとなき王子様 波江編 作家名:有馬音文