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私のやんごとなき王子様 風名編

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 今日一日ずっと緊張しっぱなしだった私は、放課後教室で風名君から声をかけられた驚きでこけてしまった。

「わひゃいっ!!」

 という意味不明な叫びと共に……

「大丈夫、美羽っ!?」
「小日向!?」

 さなぎと風名君が椅子から見事に転げ落ちた私を助け起こしてくれた。

「いたたた……ご、ごめん。大丈夫……」

 恥ずかしすぎる。もしかしてパンツ見えてないよね!?
 私は慌ててさなぎに目で「パンツ大丈夫? 合図」を送った。
 それに気付いたさなぎは哀れむように私を見ながらも、「大丈夫」と頷く。
 良かった、風名君にパンツ見られたら生きて行けないもんね。

「小日向、大丈夫か? 買い物行ける?」
「これくらい平気。い、行こうか?」

 風名君が私の腕を取って立たせてくれた。紳士だなあ。
まだこけた恥ずかしさで軽くパニックだけど、なんとか冷静になろうと気付かれないように呼吸を整える。

「それじゃあ、行ってらっしゃい。気を付けてね」
「うん、またね、さなぎ」
「お疲れ、佐和山」

 さすがに風名君と二人きりは気が引けたのでさなぎについて来て欲しいと頼んだけど、自分の担当の集まりがあるとかで一緒には行けなかった。

 そのさなぎに送り出され、私は風名君と学校を出た。