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ツカノアラシ@万恒河沙
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novelistID. 1469
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青髭の塔

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何故、あなたのおうちには、私ではない別の少女がいるのですか。ああ、折角、障害を取り除いたと言うのに、何故ゆえ新たに障害が出来ているのでしょうか。これも青髭の与える試練なのでしょうか。貴方には私と言うれっきとした愛する人がいるのに。何故、少女は貴方のおうちを自分の家のように振舞うのですか。そして何故、貴方は少女を追い出してくれないのですか。教えて下さい。画面越しの貴方に問いかけるものの、貴方はいつものように目で返事はしてくれません。まるで、別人になってしまったかのようです。

私は、平凡を絵に描いたような男である。『少女探偵』は私をどこか別の所に住むようにと言い、私の代わりに『少女探偵』の助手兼執事と私の部屋に住み始めた。大家には何も言わずに、勝手に『少女探偵』たちを住まわせてしまったが、大丈夫だろうか。その『少女探偵』によると、私が今住んでいる部屋では、今までに何人もの若い男性や若い男性の妻や彼女が行方不明になっていると言っていた。しかし、私はそんな話は全く知らない。アパートの最上階に住んでいるポッキー好きの大家もそんな話は言っていなかった。『少女探偵』はいったいどこでその話を聞いたのだろう。

お待ちしてます、貴方。今は解っています、あの少女は極悪非道な青髭を油断させるための隠れ蓑なのですね。今日も青髭は、この塔の扉を開けるように要求します。でも、私はいつかやってくるはずの貴方のために清い身体を守っています。
お待ちしています、貴方。何故、貴方は街角で私でない少女と笑っているのですか。
お待ちしてます、貴方。今日、盗聴器と隠しカメラを増やしました。もっと、貴方のことが解るように。貴方の全てが分かるように。お待ちしてます、貴方。しかし、いつまで経っても貴方は来てはくれません。今日、寝室につけた盗聴器とカメラを壊しました。誰かが私と貴方のことを妬んで、悪い電波を送っているに違いません。