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司令官は名古屋嬢 第2話 『大晦日の群像劇』

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第6章 悪魔襲来



   ガラガラガラッ!!!!!!

 突然、店内に、何かが壊れる大きな音が響いた。その轟音は、天井の上の地上からのようだ。突然の轟音に大須は立ち止まり、天井を見上げた。店にいた他の客や山口や守山も天井を見上げた。店内は静かになった。
「空襲警報なんて鳴ってたか?」
彼が席から立ち上がりながら言った。
「……いいえ。山口さん」
大須は彼を見ずに、天井を見ながら答える。

   ダダダッ!!! ダダダッ!!!

 天井の上から、自動小銃とみられる銃声が響いてきた。何人かが何かに応戦しているいるようだ。その銃声のあと、再び崩れる轟音がした。
「……やっかいな敵なんだろうな」
山口は店の外に飛び出し、地上への階段を駆け上がっていった。
「ナナねぇ! 私たちも行こう!」
泣き止んだらしい守山が、立ち上がりながら大須に言った。
「もちろん!!!」
「あっ!!! 山口さん、お金払ってないじゃないか!!!」
この喫茶店の店長らしき男性が、山口がいたカウンター席の上をよく眺めてから、店内の静寂を破るほどの大声で言った。
「すいません! 私がまとめて払います!」
大須が財布をポケットから取り出しながら言った。
「いやいいよ、ツケとくからさ。 それより、早く上に行きなよ!」
店長らしき男性が天井の上を指さして言う。
「……すみません!」
大須は男性に軽く頭を下げると、店の中の客たちに向かって、
「すみませんが、安全が確保できるまで地下街から出ないでください!!!」
多くの客が静かにうなずいた。
 そして、大須と守山は店を飛び出して、地上への階段を駆け上がっていった。

 大須が去ったあとも店内は静かだった。ウェイトレスの女性は、カウンター席の山口のところを片付けていた。そのとき、彼女の目に何かが止まった。すると、彼女はため息をつき、その「何か」を店長らしき男性に見せる。
「店長! 山口さん、こんなところに代金を置いていかれたようですよ!」

 代金は、ピーナッツが入っていた小袋の中に入っていた……。