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勇者と魔王の決意 リメイク版

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    どちらになるか分からない・・・」

スカル「魔王ロンリーエンペラーは世界を救った。
    だが、他の魔王達に処刑された・・・
    彼が、どうして魔物を人にしたか不明だ。」

スカル「魔王は、他の魔王達に「孤独を支配する魔王」と呼ばれていた。
    勇者は、世界の人々に「博愛の勇者」と呼ばれた。
    魔王の子は、他の魔王達に「裏切りの子」と言われた。
    世界のごく一部の人々が「平和の象徴」と言った。」

     勇者は目を丸くして驚いていた。
     なぜなら、彼が100年前の歴史書をスラスラ読んだからだ。
     さらに、歴史書に自分の祖先の名が書いてあったので、
     勇者は何も言えないくらいびっくりした。

     この歴史書の人物を私は知ってる気がする・・・
     夢中で読んでいたらもうこんな時間か。
     スカルは、部屋の壁の上にある時計を見た。
     時計の針は夜の10時を指していた。

     二人はとりあえず寝ることにした。
     勇者たちは不思議な夢を見た。

   『序章「長き宿命の対決」』 完

  第一章『孤独を恐れた魔王』

   100年前・・・無意味に魔物達と共に人間達を殺戮したり、
   村を焼き尽くし地獄絵図にしてしまう魔王がいた。

   これで世界の人間共は我々に抵抗できない・・・
   だが、何かが足りない気がする。
   部下達は私を尊敬してる・・・
   それに、愛する妻とそのお腹の中にいる小さな我が息子も傍にいる。
   だが、私は他の魔族より長生きしてしまう・・・
   いつか一人になる。
   そんな私を哀れむ勇者が現れた。

闇の竜「魔王さま、人間が一人で城の門の外に・・・
    始末しますか?」

   一人でここまで来るとは・・・
   愚かな人間だ・・・
孤独の帝王「・・・無傷でここに連れて来い。
      愚か者の顔が見たい。」

   魔物達に連れて来られた
   青年は魔王をじっと見つめていた。
勇者ワールド「俺は勇者ワールドホープ・・・
       あんたを説得しに来た!」

   勇者が魔王に説得だと!?
   私に闘いを挑むつもりではないのか?
孤独の帝王「・・・勇者ワールドホープ。
      お前には仲間がいないのか?
      一人で来て、油断させるつもりだな!」

   勇者は、首を振って否定した。
勇者ワールド「俺の仲間は、魔王と闘おうとしない
       俺に呆れて国に帰ったよ・・・
       今は一人旅をしている。」
   
   腰抜け勇者のくせに、一人でこの城に来たのか・・・・
  
勇者ワールド「そんなことより、お前は無意味に世界を破壊して・・・
       どうするつもりだ?」

孤独の帝王「私は孤独に生き続け、この世界を支配する。
      他の魔族より長生きする存在だからだ・・・
      それに、人を殺さねば・・・我々が滅びる。」
   我々を滅ぼすお前たちには分からんだろ・・・
   魔族も生き残るのに必死なんだ。
   勇者は、彼の目に微かな悲しみの色があるように見えた。
勇者ワールド「・・・魔王ロンリーエンペラー。
       お前の顔は悲しそうに見える・・・」

   私の顔が悲しそうだと?
   くだらん戯言だ・・・
孤独の帝王「帰れ、偽勇者よ!
      そんなくだらんことを言いに来たのか!」

勇者ワールド「あんたは、別の生き方を考えたことはないのか?
       魔王の役目に縛られた運命なんて・・・
       つまらないだろ?」

   別の生き方・・・・・・
   長く生きてるのに、考えたことがなかった。
   世界破壊が我々を守る手段なのか?
   他に方法がないのか・・・
孤独の帝王「他の生き方など出来ない・・・
      世界破壊こそ我々が生き残るための・・・
      お前は、我々に別の人生があると思うのか?」

勇者ワールド「自分で考えないと意味ないよ。
       そうしないと自分たちの運命は変えられないさ!
       じゃあな、頑固者の魔王様!」
   勇者は、笑顔で立ち去って行った。
   彼は、しばらく王座に座って考え込んだ・・・

   孤独の帝王は、部下達と共に町を焼きつくし、
   気晴らしをしていた。
       
孤独の帝王「・・・孤独の帝王・・・・孤独に生きる存在か。
      私にふさわしいあだ名だな。」
      
   魔王ロンリーエンペラーは、魔王達や魔族たちにそう呼ばれていた。
   彼は、自らの手で滅ぼした町の地面に座って呟いた。
   そんな彼に部下達が声をかけた。
ドラキュラ「魔王様!どうしたんですか?顔色が悪いですよ。」
   心配そうな顔でドラキュラはそう言った。

炎の魔人「ご自分で、世界各地の村を焼き尽くして
     お疲れになったのでしょう?
     無理をしないで、俺に任せておけば良かったのに・・・」
   微笑みながら炎の魔人は、瓦礫の山に熱い息を吐いた。
   瓦礫の山が炎に包まれていく・・・

 いつまで、私は部下達と共に生きられる?
    私は孤独を恐れているのか・・・
孤独の帝王「部下達よ。私が世界を破壊して、
      世界を支配することは正しいのか?」

    部下達は驚愕したような顔だ。
    彼が、他の魔王たちが言わないことを言ったからだ。
ナイトデビル「突然、何を言うんですか・・・
       世界の人間たちを絶滅させなければ、
       我々が絶滅してしまいます!
       この前、一人で来た勇者に言われたことを
       気にしてるんですか?」
    あの勇者のことか・・・
    私の顔が寂しそうに見えるとほざいた。
    自分の顔は悪魔の顔だから表情などないはず・・・
    それに余計な感情などない。
    勇者ワールドホープは、私に剣を向けずに
    戯言を言いに来た・・・
    魔王を倒すはずの勇者が・・・
孤独の帝王「・・・あの勇者は、私を改心させるつもりか?
      油断させて殺すつもりか?
      それとも、腰抜けの勇者なのか・・・」
    他の勇者達は我々に闘いを挑んだ。
    どうして、勇者ワールドホープは殺そうとしない?
    私に家族がいたからか?そのことは勇者は知らないはず・・・
    他に理由があるのか?
    
    そういえば、今日は魔界会議の日か・・・
    あまり行く気がしないが・・・
    行かないと伯父が五月蝿いからな。
孤独の帝王「部下達よ・・・私は地獄で開かれる
      魔界会議へ出席しなければいけない・・・
      城の守備を頼むぞ。
      命がけで私の妻と子を守れ。
      あの勇者が来たら絶対に殺すな。
      奴に聞きたいことがあるからな・・・」
    魔王は呪文を唱えて地獄へ行った。
    存在していたのが嘘のように消えていた。