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私のやんごとなき王子様

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「すみません、馬鹿なものですから……良かったらどこの手伝いが私に最適か、ご教授ください、鬼頭先生」

 棒読みでそう言うと、鬼頭先生は満足したような声でこう言った。

「俺の手伝いをしろ」
「……はあっ!?」

 思わず目を見開いてしまった。

「な、なんでですか!?」

 驚く私を見てさらに満足そうに笑うと、先生は椅子に背中を預けて得意げに眼鏡のブリッジを上げた。

「お前をいじってると俺が退屈しないで済むからな。合宿中の生徒指導なんてかったるい仕事にも楽しみが出来る」
「――私は先生の暇つぶしですか……」
「暇つぶしとはえらく言葉が悪いな。おもちゃだ」

 ……そっちのほうが言葉が悪いです。

「はあ……」

 私はひとつ大きくため息を吐いた。
*****