少女機械人形コーパス 第一幕
巳上
「?」
左文字
「いや……」
巳上
「?」
左文字
「……僕だよ、よう子ちゃん。だから、そんな不安そうな顔しないで」
巳上
「あはっ!やっぱり健二くんなんだね! 急に大人になってるからビックリしちゃった! でもすぐに分かったよ! よう子エライでしょ?」
左文字
「うん……。よう子ちゃんはエライね」
巳上
「へへ〜」
土方
「……その方は?」
左文字
「……俺の弟だ。『楔の悪魔』の襲来で死んだ……な」
土方
「……そう……でしたか」
左文字
「バカだな、俺は……。よう子はずっと健二の事を思い続けてたんだ。その気持ちに気付きもしないで」
土方
「そんなっ! 参謀長は……っ!」
左文字
「いいんだよ、土方参謀。……俺は今日から――よう子の前では健二として生きる」
土方
「……参謀長っ」
左文字
「ははっ。こうなった今、俺がよう子の為に出来る事なんて限られてる。これ位は安いさ」
土方
「……っ!」
巳上
「ねぇ、ここはどこ? どーしてよう子ここにいるのかな?」
左文字
「よう子ちゃんは何にも心配いらないよ。よう子ちゃんには僕が付いてるから……」
巳上
「うんっ! 大きくなった健二くんが一緒なら、よう子なんにも怖くないよ!」
左文字
「有難う、よう子ちゃん。」
土方
「………」
第三場 幕
作品名:少女機械人形コーパス 第一幕 作家名:有馬音文



