少女機械人形コーパス 第一幕
同日
午前10時02分
コーパス デーケルターレ研究室
<背景・研究室室内>
<SE・扉開閉音>
土方
「失礼します。土方です。パイロットジョエルをお連れしました」
ジョエル
「失礼します」
野柳
「ん」
<立ち絵キャラのセリフごとに追加>
野柳
「来たか。土方参謀、君はもう下がっていいよ。ご苦労だったね」
土方
「は。では、私はこれで。失礼致します」
ウィィィン
<SE/扉開閉音 土方消>
野柳
「さて。ジョエル君。君はデーケルターレをどれ位操れるようになったのかな?」
ジョエル
「自分の体のようにとはいきませんが、一通りの動きは取れると思います」
野柳
「なるほど。『楔の悪魔』を引き抜くだけならば、それでも問題ないだろうね。しかし引き抜く際に、あの『悪魔』が再び動き出しデーケルターレを襲ったら?」
ジョエル
「……可能性はあるんですか?」
野柳
「さて…無いとは言い切れない。
可能性の無い事など、この世には何一つとして無い…と『楔の悪魔』襲来以降、私はそんな風に考えるようになったからね」
ジョエル
「………」
野柳
「ジョエル君。
仮にヴィロネカートの毒液がデーケルターレを覆ったとしても、コクピットまで侵食する可能性は薄い。仮に侵食したとしても、君が脱出する時間位はあるだろう。
だが、デーケルターレが外部から受けたダメージは神経ブロックを通じて、君の元へ20%程度流れ込む。つまりは君へのダメージとなるわけだ。自分の体のように動かせるようになる事は、君の為でもある」
ジョエル
「……ボクの動きに不満がおありならシミレーションではなく、実戦仕様の訓練へと移行して下さい」
野柳
「そうしたいのはやまやまだがね、そうもいかないんだよ」
ジョエル
「?」
野柳
「デーケルターレはね、そんな簡単に起動させるワケにはいかないんだ。動力の核となるものが、すぐには用意出来ないからね」
ジョエル
「そう……ですか」
野柳
「そう。動力の中心部……つまりコアだね。コアはアルカという装置に搭載され起動する。これは分かっているね?」
ジョエル
「はい」
作品名:少女機械人形コーパス 第一幕 作家名:有馬音文