少女機械人形コーパス 第一幕
1月16日
午後2時08分
コーパス医務室
尾ヶ崎
「気が付かれましたか……」
七々原
「……っ! 痛っぅ……!」
尾ヶ崎
「デーケルターレが両脚部を失ったのです。あなたも重傷を負っています」
七々原
「……ヴィロネカートは?」
尾ヶ崎
「あなたの手によって殲滅されました。現時点で再生は確認されていません」
七々原
「そう……ですか」
尾ヶ崎
「今回の事で、あなたの地位も確立されるでしょう。よく頑張ってくれました」
七々原
「…そう……ですか。」
七々原
(地位の確立――ミリカをコーパスに呼ぼう。そんで紗香ちゃんもコーパスの医者に診てもらおう。そんで……)
尾ヶ崎
「あなたの治療には最善が尽くされます。直に歩けるようにもなります。それまでは安静に……」
七々原
「あのっ」
尾ヶ崎
「何でしょう?」
七々原
「左文字さんは……?」
七々原
(あの時――左文字さんの様子がおかしかった。一体何を言おうとしていたんだ……?)
尾ヶ崎
「……左文字は懲戒されました。彼はもうコーパスの人間ではありません」
七々原
「え……それじゃあ……」
尾ヶ崎
「現在は土方が参謀長を務めています。これからは彼女の命令に従って下さい」
七々原
「そんな……左文字さんは俺に……」
尾ヶ崎
「もうあなたが左文字に会うこともないでしょう」
七々原
「……っ」
尾ヶ崎
「では、私は仕事に戻ります。お大事に」
七々原
「どう…も…」
ウィィィン<SE>
七々原
(左文字さん……どうして……)
作品名:少女機械人形コーパス 第一幕 作家名:有馬音文



