少女機械人形コーパス 第一幕
同日
午後08時20分
コーパス懲罰房
<背景コーパス懲罰房>
<SEカツンカツンという靴音>
左文字
「……君か」
左文字
「土方参謀――いや、今は参謀長だったか」
土方
「左文字参謀長……っ!」
左文字
「俺はもう参謀長じゃない。何の階級も権限もないただの男だ」
土方
「それでも……私はっ」
左文字
「今の俺に出来る事など何もない。それどころか、こんな所に来ている事が知れたら、君にとってマイナスにしかならない。早々に立ち去る事を推奨するよ」
土方
「……参謀長」
土方
「よしてくれ。俺はもうコーパスの人間ですらない」
土方
「……」
左文字
「そして今の俺はその事実を誇りに思っている」
土方
「っ!」
左文字
「意外……だったかな。でも俺はコーパスに未練など微塵もない。だから、参謀長などと呼ぶのはよしてくれ」
土方
「……左文字……さん……」
左文字
「何かな」
土方
「私に……出来る事なら何でも仰って下さい……! わ……私はっ!」
左文字
「はは。そんなに乱さなくてもいい。慣れてしまえば懲罰房も悪くない。た――。」
土方
「ただ?」
作品名:少女機械人形コーパス 第一幕 作家名:有馬音文



