少女機械人形コーパス 第一幕
七々原
「左文字さんは……一体どうして……?」
土方
『ここからは私が指揮を取ります。七々原君、集中して』
七々原
「あ……はい……!」
土方
『焼け爛れた敵の再生は開始されていないみたいね。完全に殲滅するチャンスよ』
七々原
「はいっ!」
土方
『しっかり狙いを定めないと、かわされるわ……。ギリギリまで引き付けて』
七々原
「はいっ!」
七々原の双眸がヴィロネカートを正面に捕らえる。
ヴィロネカートもデーケルターレの勝敗を掛けた攻撃に神経を集中するかのように、空中でそのタイミングを計る。
キュインキュインキュインッ!<SE>
先に動いたのはヴィロネカートだった。風を切り一直線にデーケルターレへと向かう。
土方
『まだよ。まだ動かないで!』
七々原
「はいっ!」
ヴィロネカートは先の攻撃により弱っているデーケルターレの両脚部を再び狙う。
そのクレバスが両脚を捕らえようと大きく口を開いたその時、
土方
『発射!』
七々原がフラマー兵器のトリガーを引くと、ノズルから放たれた炎がヴィロネカートを飲み込んだ。
七々原
「やった!」
正面からまともに炎を浴びせられたヴィロネカートであったが、尚もデーケルターレの両脚部に向かって接近する事をやめはしない。
七々原
「なっ……!」
次の瞬間、その巨大なクレバスがデーケルターレの両脚部を食いちぎった。
七々原
「うあああああああああああああっ!!」
神経ブロックを通じダメージが七々原の体へと走りこむ。両脚を奪われた痛みは、たとえそれが20%であっても耐えられるものでは無かった。
作品名:少女機械人形コーパス 第一幕 作家名:有馬音文



