少女機械人形コーパス 第一幕
七々原
「ちっ、いきます!」
腐敗した大地を蹴り上げ、デーケルターレは大きく跳躍する。
眼前に迫ったヴィロネカートに向かいもう一度Mハイドレード弾を放つ。
七々原
「今だっ!」
バシュバシュバシュゥッ!!<SE>
再度放たれたその弾も、今度は滑空する事により難なく避けるヴィロネカート。
デーケルターレの口内から発射されるその弾を警戒するように、旋回を続ける。
左文字
(知って……知っているのか……?)
七々原
「この距離なら――フラマー兵器行きます!」
火炎発射トリガーを引きヴィロネカートに照準を合わせる。加圧された液体燃料が点火システムを通って勢いよく噴射する。
七々原
「当たれッ!!」
キュインッ<SE>
突如噴出した炎に驚いたかのように、ヴィロネカートの表面に張り付いた黒い球体は光を反射しながらギラギラと蠢く。
ジュウーーーーッ<SE>
何かが焼けるような音共に濃い煙が辺りを多い、腐敗した大地には炎が這う。
七々原
「やったか……!?」
左文字
『ッ?! まだだ! 離れろ! 七々原!!』
七々原
「何……!!」
薄れ行く煙の中、七々原が見たものは3分の1程が焼け溶けたヴィロネカートだった。
七々原
「外していたのか……!」
キュインッ<SE>
フラマー兵器を構え、直立するデーケルターレにヴィロネカートが攻撃を開始する。
溶け消えた己の細胞の末路に怒るかのように、中心部の赤いクレバスが大きく開く。
作品名:少女機械人形コーパス 第一幕 作家名:有馬音文



