少女機械人形コーパス 第一幕
七々原
「……っ。敵は……?」
左文字
『左だ!』
七々原
「っ!」
瞬時に左へと体を向けるデーケルターレ。その視界が再生の完了したヴィロネカートを捕らえる。
七々原
「これは……っ」
そこに存在したヴィロネカートは前回までの球体とは違い、まるで巨大な白い脳みそのような姿に再生を遂げていた。巨大な脳の表面には黒光りする眼球らしきものが浮かび上がり、その中心では口のように赤いクレバスが開閉を繰り返している。
七々原
(距離200まで詰め――1回で仕留めてやる!)
デーケルターレの存在に気付き接近を開始するヴィロネカート。
七々原
「来い……!
」
接近するヴィロネカートに向かいフラマー兵器を構えるデーケルターレ。しかし敵の動きは予想以上に早く、あっという間に距離を詰められてしまう。
左文字
『七々原! まずはMハイドレード弾を使え! 威嚇射撃で十分だ! 適切な距離を保つ事に専念しろ!』
七々原
「了解!」
七々原がMハイドレード弾発射レバーに手をかけ、デーケルターレの顎が大きく開く。
七々原
「今だっ!」
デーケルターレに向かってくるヴィロネカートに狙いを付け、Mハイドレード弾を一気に放つ。
バシュバシュバシュゥッ!!<SE>
ヴィロネカートは赤いクレバスを開閉させその勢いで大きく上空に浮上。この攻撃を難なく交した。
七々原
「そんなっ! 狙いは確実だったはずだ!」
左文字
『何だ……今の動きはまるで……』
左文字
(まるでMハイドレード弾の存在を知っているようだった……!)
作品名:少女機械人形コーパス 第一幕 作家名:有馬音文



