少女機械人形コーパス 第一幕
七々原
「くっ!」
両手の塞がる中、迫り来るヴィロネカートに応戦する為、七々原もアペリオボタンを押しその顎を大きく開き、敵のクレバスを捉えようとする。だが、ヴィロネカートはデーケルターレの頭部を狙わず、その両脚部に向かってクレバスから赤い玉を放った。
キュインキュインキュインッ!!<SE>
七々原
「がぁっ!!」
予想外の敵の行動に反応が遅れた七々原は、その両脚部に赤い玉をまともにくらってしまう。
七々原
「くっそぉ……!」
被ダメージは20%。ヴィロネカートの赤い玉はデーケルターレの足を覆い、火傷のような傷跡を残したが、七々原が戦意を失う事は無かった。
七々原
「これくらい……!」
もう一度的確な距離を取ろうと、両脚に力を込める。
左文字
(なぜだ……? 以前からヴィロネカートは頭部を狙ってきていた。本来ならさっきのタイミングで頭部を狙い、開いた顎部によってなんらかのダメージを与えれたはずだ……)
七々原
「はぁーーっ!」
腐敗した大地を撒き散らし、後退するデーケルターレ。ヴィロネカートもその後を追う。
左文字
(Mハイドレード弾もそうだ……! あの感覚なら命中していたはず。なのに――このヴィロネカートは今までの戦いを記憶しているかのようだった……)
七々原
「しつっこいなっ!」
チャンスは後一回。無駄にフラマー兵器を使うわけにはいかない。Mハイドレード弾を使い挑発を繰り返しタイミングを計る。
左文字
(記憶……)
作品名:少女機械人形コーパス 第一幕 作家名:有馬音文



