少女機械人形コーパス 第一幕
<地下都市医療ゾーン>
1月13日
午後05時03分
地底都市マヌス Cエリア医療ゾーン
506室
<室内>
<カツッという靴音>
土方
「ここにいたのね」
ミリカ
「あっ、土方参謀さん。こんにちは」
二野上
「土方参謀…?」
土方
「あなたの部屋にいなかったから、探したわ」
ミリカ
「私を?」
土方
「ええ。七々原玲くんの力になって欲しいの」
ミリカ
「お兄ちゃんの? お兄ちゃんがどうかしたんですか?!」
土方
「詳しくはコーパスに着いたら話すわ。一緒に来てくれるわね?」
ミリカ
「……はい。それはいいんですけど……でも、紗香ちゃんが……」
二野上
「私の事なら心配しないで。1人でも大丈夫」
ミリカ
「でも……」
二野上
「本当に大丈夫だから。先輩の所に行ってあげて……ね?」
ミリカ
「う……ん」
土方
「お友達もこう言ってくれてるし、行きましょう? お兄さんの力になれるのは、あなただけなのよ?」
ミリカ
「……うん。じゃ、紗香ちゃん……私、行くね?」
二野上
「行ってらっしゃい」
ミリカ
「でも、用事が済んだらすぐ戻ってくるからねっ」
二野上
「うん、待ってる。先輩にもよろしくね」
ミリカ
「うんっ」
土方
「では、行きましょうか」
ミリカ
「はい」
<立ち絵ミリカ土方消失 SE遠ざかる足音>
二野上
「………」
二野上
「……ごめんね」
二野上
「………」
二野上
「ごめんね、ミリカちゃん。でも――」
二野上
(……私やっぱり自分だけ苦しいのは嫌なの)
作品名:少女機械人形コーパス 第一幕 作家名:有馬音文



