少女機械人形コーパス 第一幕
同日
午後07時10分
コーパス総司令室
池峰
「ジョエルはどうしている」
野柳
「身体は完全に回復しています。ですが、例の巳上主任の件で精神的ダメージを負ったようですね」
池峰
「脆いにも程があるな」
野柳
「彼にとっては母親意外で始めて母性を感じさせてくれた女性でしたでしょうから」
池峰
「下らないことだ」
野柳
「下らない――ですね、確かに下らない。しかし彼自身の手によって巳上主任がああなったと知った時には、彼はもう使い物にはならないでしょう」
池峰
「どの道、今のような不安定な状態では扱えまい」
野柳
「廃棄なさりますか?」
池峰
「任せよう。新しいパイロット候補の二人は1週間以内には、こちらに配属される手筈だ」
野柳
「了解しました。その内の1人は例の?」
池峰
「ああ」
野柳
「ふふっ。コアの中身を知っていて尚デーケルターレに搭乗するとは……。なかなか食えませんね」
池峰
「だからこそ、扱いやすい」
野柳
「これはこれは。私も楽しみが増えましたよ」
池峰
「まずは3日後に再生完了するヴィロネカートを、確実に殲滅する事だな」
野柳
「心得ております」
作品名:少女機械人形コーパス 第一幕 作家名:有馬音文



