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神待ち少女

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 再び教室の扉を開く。中に入ると、さっきほど露骨に反応はしてこなかったが、やはりみんな気になっている感じだ。当たり前か。でも、私から言うことは何もない。言ったところでいいことはないだろう。
「おはよう、楓」
「おはよう、七海」
 いつものように席に座り、楓に話しかける。楓は特に気にしていないようだ。
「なんか穂乃香さんが七海のことをみんなに話してたみたいだけど、大丈夫なの?」
「大丈夫じゃないかもしれないけど、気にしないようにする」
「人の噂も七十五日っていうから、気にし過ぎないことね」
「うん、ありがとう」
 楓は見た目と違って、サバサバとしていて絡みやすい。変に周りに流されることもないし。
 1時間目は、あの件が気になって、ほとんど集中してなかった。あまりクラスでの評判が悪くなると、他のクラスにも飛び火して面倒なことになりそうだ。特に中川に目をつけられると本当に厄介になりそうだ。中川は一部の女子をまとめているからな。少し強気に出過ぎたかも、今さら後悔。
「ねぇねぇ、朝倉」
「はぁ?」
「わ!そんな恐い顔するなよ」
「あ、ごめん……」
 考え事してたから、つい。そんな驚かなくてもいいのに。
「あのさ、お前自身でも気づいてると思うけどさ、噂の件なんだが」
 三浦は周りに聞こえないように少し小声で話している。
「私からは言うことはないわ。それより、私と話してるのはあんまよくないんじゃない?周りから見て」
「いや大丈夫、俺はいつでも中立だからな」
 そう言って、親指を立てる。
「あ、そ」
「おいおい、相変わらずつれないなぁ。まぁいいや、それより噂になってるみたいなんだが、大丈夫なのか?」
「あんまり大丈夫じゃないわね」
作品名:神待ち少女 作家名:ちゅん