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神待ち少女

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 カーテンの隙間から差し込む日の光で目が覚めた。
 9時か。意外と早く起きてしまったな。私の普段の週末だと昼過ぎくらいまで寝ていたものだが。まぁ昨日は夜遊びしなかったしね。こんなもんだろう。
 さて、昨日残していた課題を思い出した。食事をどうするかだ。これからは下手すれば一日一食だ。
 2000円しかない所持金は、いざという時のために極力残しておきたい。
 そうなるとタダで食事にありつける方法を考えなくてはならない。ここまでくると休み中に解決できる問題じゃないや。1日1日が勝負だ。流石に友達とか先輩に毎日たかるわけにはいかないし。
 あーどうしよう。再びベットに横になり、充電器のコードを手繰り寄せ、携帯電話を開いた。
 なんか手持ち無沙汰だったり、暇になったらすぐに携帯を開くのは若者の悪い癖だよね。こればかりはしょうがないね。髪を掻き揚げながらそう思う。ビバ!ゆとり世代。意味もなく心の中で叫ぶ。
 メールは来てなかった。携帯を開いてメールが来てないなんてやってらんないよね、っていう人よくいるけど、気持ちはわかるが、そんなに気にすることじゃないでしょ。そんなにかまって欲しいのか、それとも自意識過剰なのか。私はそんなイケイケなギャルたちとは違う。
 次いで某有名SNSサイトを開いた。このサイトはみんなやってたから自分もやってみた。招待制だから友達に誘われたわけだけど。最初の頃はハマってしまい、よく携帯をパタパタと開いていたが、最近は少し飽きてきた。
 最近の若者はこれに加えて、ブログとかリアルなんていうのもやるわけだから、携帯中毒だよね。そんなにキーを親指で押して楽しいのかな?自分もその若者の一人なのに疑問に思うことがある。
 このサイトでの私のニックネームは、ナナセブンである。結構気に入っている。
 さて、どうしようかな。なんとなくログインしただけなので、次の一手に詰まり、親指が動きを止めてしまった。そもそも私には考えるべき課題があるというのに。試験勉強の時、勉強しなきゃいけないのに、思わず携帯を手に取ってしまうのと同じ感覚だ。
 タダで食事にありつける、そんな都合の良いことがあるのだろうか…。流れ作業の感覚で、携帯の画面をスクロールする。
 参加コミュニティー一覧(0件) ふとそこに目がいった。あぁ、そういえばこの前柊にコミュニティーに入ることを勧められて、プロフィールの年齢を20歳に変えたんだっけ?18歳未満はコミュニティーに入れないから。
 そのとき柊は、『いろんな情報を交換したりできるし、趣味が近いわけだから打ち解けるのも早いよ。この前長渕剛のライブのチケット譲ってもらったんだー』と言ってた。 そのとき私は、長渕剛かよ!とツッコミを入れたぐらいしか反応を示さなかった気がする。
 ふと入ってみようと思った。このベッドの上で何にも思いつかず、ぼけっとしている状況に変化が欲しかった。参考に柊のページに行って、柊の参加しているコミュニティーを見てみることにした。
 柊は、学校の同級生である。クラスは違うけど。私が友達と呼べる数少ない人物かもしれない。なんか近いものを感じる。群れるのが嫌いなところとか、モテるところとか。実はおしゃべりだとか。いろんなことに詳しくて、趣味が幅広くて話してて飽きない。あれはすごいよ。背は私と同じくらいで、髪型がショートヘアのマッシュボブスタイルで丸みがあってかわいらしい。
 まぁ私も負けてないさ、とか言ってみる。自嘲気味に口元をゆるませる。

作品名:神待ち少女 作家名:ちゅん