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VARIANTAS ACT 15 鉄鋼人

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 男は瓦礫の山を怪訝な表情で睨んだ。
 立ち込める砂埃。
 そこには、静かに佇む大男の姿があった。
「て、敵!?」
 慌ててライフルに手を掛ける二人。
 だが、ティックの手には既に一丁の拳銃が握られていた。
 “拳銃”?
 いや、“拳銃”と言うには、余りにも大きかった。
 全長60cm、重量28kg。
 15mm徹甲弾を発射するその銃には、〈Mahath(マハト)〉…、すなわち、“畏怖”と言う意味の名が刻まれていた。
 その鉄塊のように巨大な銃を軽々と振り回し、二人に銃口を向けて引き金を引く彼。
 まるで雷鳴のような銃声と共に発射された15mm徹甲弾は、二人の頭蓋を砕いて脳髄を蹂躙し、頭部を四散させ、やがて突き抜ける。
 異変を察知し、駆け付ける数人の兵士達に、マハトを連射する彼。
 その、生身の人間を撃つには余りにも大きな弾丸は、血と脳漿を壁に飛び散らせ、噴き出した血液は文字通り血の海を形作った。
 降下地点制圧確認。
 ルート制限解除。
「こちら01…、降下完了。同地点の敵を排除した」
 無線で通信するティック。
 送信相手のジーナ達別動隊から、返事が返ってくる。
「02、了解。こちらも無事降下した。オペレーションオーダーに従い、これより施設への侵入を開始する」
「…了解」
 切れる無線。
 彼は、右手に持ったマハトのマガジンを入れ換えた。
 ボディの全戦闘システムを起動。
 行動開始。