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VARIANTAS ACT14 この娘凶暴につき

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 次の瞬間、二機は一瞬で空へと消えていった。




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 他にも同じような人間が居るのだろうか?
 戦いで心を埋める人間が。
 自分が産まれた時から続いていた戦争。
 二つの戦争を跨いで未だに続いている自分の人生。
 自分の生まれを呪うべきか、世界を呪うべきか、産まれた時から生きる道は定められていた。
 武器を取り、鋼鉄の機兵に身を包んで地獄のような戦火に己を曝し、そしてそこから帰る。
 何のために?
 戦争が日常の世界で、自分は何のために戦っているのかが、時々解らなくなる。
 過去に何度も、様々な人間に問われた事。
 その度に返す答え。
 自分の為。
 本当にそうだろうか?
 自分の心の中にあるこの“もや”のような感覚は何だ?
 真実はどこにある?
 解らなくなった時は、答えを求め、また戦いの中に身を置く。
 ちょうど今の様に…


 降下地点の遥か前方、ディカイオスが破壊を撒き散らしながら遠ざかっていくその姿を彼は遠目で眺めていた。
 爆炎と閃光の中に飲み込まれていくソルジャー達。
 それでもなお続く不気味な膠着状態は、いつもなら極力避けたいと思っている平地での正面突撃を行うよう、彼を焦らせていた。
「おい、レイズ!」
「はい?」
 ビンセントは、自分の後ろに待機していたレイズをいらついた口調のまま呼んで言った。
「お前、170mmのオートランチャー持ってただろ?」
「ありますけど?」
「あれ貸せ」
 コクピットの中で、レイズとサラは顔を見合わせた。
「まさか突撃なんてしませんよね?」
 目の前にはソルジャーの残存勢力がうごめいている。
「突撃? しねえよそんなもん…」
「なら良いんですけど…」
 オートランチャーを受け取るビンセント。
「俺がするのは…」
 ロンギマヌスのメインスラスターを絞り込む。
「単騎突撃だ!」
「ビンセントさん!」
 レイズの制止が届く間もなく、なぞったような浅い塹壕の中から飛び出していくロンギマヌス。
 機体はまっすぐ、ソルジャーの群れの中へ向かっている。
「何やってるんですか、ビンセントさん!現状で待機でしょう!?」
「お前はそうしてろ!俺は今闘いたい気分なんだ!」
「気分って…!」
「敵機接近」
「無線切るぞ!」
 ソルジャー達が、ロンギマヌスの接近に合わせてビームカノンを撃ってくる。
 彼はオートランチャーをソルジャーの群れに向け、コクピットの中で叫んだ。
「人間一度は死ぬもんだ…!いつでもきやがれ、この野郎!!」