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【過去作】私の青空2 プーチンクエスト【2000年(16歳)】

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ああ、そうだ西陣織さん、さっきは少し見直しました」「あぁ?!」「プーチンさんをかくまってあげたじゃないっすか。僕、感動しました」「お前何言ってんだ!?あたしは自分の正義に基づいて行動してるだけ」「西陣織さんの正義?」「そう、あたしの正義知りたい?」「はい」
「あたしの正義、それは途轍も無い凶悪犯を逮捕すること。そいつが極悪であればあるほど警察としてのビジネスの発展に繋がるのよ」「・・・へ?市民助けじゃなくて」「阿呆?金儲け」
「・・・それでこの変な鉄の塊は何に使うんですか」「無線機だよ。どれ、ちょっと実験」
「ガガッ・・・ザ・・・ザザッ・・・メリカ・・・派遣の・・・り返します。アメリカ合衆国はプーチン暗殺に空軍の派遣を決定しました。・・・ザザッ・・・緊急・・・ガッ・・・放送でし・・・だっふんだ・・・」
通信は途切れた。
「苦しそうにだっふんだって言ってますよ」「アメリカ空軍・・・さては・・・そうか!インターポールが動き出したな!こちらにとっては好都合だ。五十六、急ぐぞ!先手を取るんだ!」「???」
この時、西陣織が帰り道に電話線の数本を切って帰って来た事を五十六は知らなかった。


「あっ、帰ってきた!」「関屋、これからでかいヤマを踏む。命の保証は出来ないが、あたしに付いて来るか?」「えっ・・・まあ・・・ついてこいって言うなら良いけど・・・」「決まりだ!」
ガチャリ。
重苦しい音が流れ、周囲に緊張が走った。誰もが一度で拳銃の質感を思い出すに容易だった。
そして全員の視点は一点、西陣織に集まった。
「プーチン。これからてめぇを拉致監禁させてもらう」「に、西陣織さん急に何をす・・・」
ガチャッ。
撃鉄を起こした後に弾丸を放つには、もう引き金と言うプロセスしか無い事は小学生でも知っている筈だ。プーチンは即座に西陣織の『本気』を理解し、日本に来て初めて直面する『恐怖』に対しその諸手を挙げるしか出来なかった。いや、出来る訳が無かった。
漸く声を出す事が出来たのは、五十六達によって縄で縛り上げられ、心臓の鼓動を間近で聞ける様に成ってからだった。
「・・・何が目的なんですか。身代金なら無駄ですよ。政府は私に暗殺命令を出している。変な誘拐犯に私が殺されようが、何の問題も無いはずだ」「おあいにくさま」「えっ?」