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【過去作】私の青空2 プーチンクエスト【2000年(16歳)】

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「とにかく西陣織さん、私は連続殺人犯なんかじゃ無いんです」「なこと言ってもプーさん、死体は何なんだい」「私ではありません、恐らく、先月の潜水艦『くるすく純情』沈没事件で私に恨みを抱くテロ集団『ぼくはブルガリア人じゃないよ』の仕業でしょう」「そいつら絶対ブルガリア人ね」「そいつらが私の犯行に見せかけて非人道的な殺人を繰り返しているんだと思います。まさか、あんな、腸にプールの塩素をねじり込むような残酷な殺し方なんて!」「腸に・・・塩素?」「何ですか?」「おい、プーさん、それはやっぱり肛門から突っ込むのか!?」「は、はいそうですけど」「五十六、それはあいつの仕業だな!」
「あ、あいつって?」間髪入れずに葵ノ上が答えた。「椎本ですか」「だ、だれ?」
「椎本貫之。村一番の変わり者だ。そこの関屋とは幼馴染みだったんだ。だよな?」「・・・はい」
「あれはあたしがプロレタリア高校、通称プロ高3年生で、こいつが高1の時だ。2学期の終業式の時校長室で全裸になった椎本が・・・まあそれは話すと長くなるから止めるか。とにかく塩素をぶっこむのは椎本の常套手段だ」「はあ」「そうか、椎本がブルガリのサイドに付いたか。面白くなってきた」西陣織の腕が武者震いしているのを五十六は垣間見た。「西陣織さん?」
「五十六!作戦会議だ!」


西陣織と五十六が応接間を飛び出してから10分程が経過した。
突然「野暮用が出来た。宝物蔵に行ってくる」と一応仄めかしてはいたものの、西陣織家の宝物蔵は本館から約1キロ離れた所に位置している。
「すいません、あの・・・」「なんですか?プーチンさん」「あの二人は何をする気なんですかね?」
「いつもの事ですから。どうせろくでもない事です」葵は表情一つ変えずに延命茶(4杯目)を注いでいる。
「でも・・・なんだかあの二人に入り込め無いの。私は。そんなキャラでも無いし」「ほほう」
「ちょっと羨ましい・・・かな」「葵ノ上さん、貴女まさか五十六さんの事を・・・」「・・・・・・」
外はすっかり闇に包まれ、ほぼ自然飽和している玉筋魚村ではゴリラ、ヒョウ、T-REX、いっこく堂などの猛獣が遠吠えを始めた。そして五十六も。
「西陣織さーん、これどこに運ぶんですか」「うちだ、うち!急げ!」「っつったって重い・・・