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【過去作】私の青空2 プーチンクエスト【2000年(16歳)】

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「我々の目的は只一つ。『この世に唯一無二の凶悪犯』を逮捕し、名を上げる事だ。その為には手段は選ばない」五十六は、前にも聞いた事があるな、と思った。そうか。あの時だ。
いつぞやの『ビバ!玉筋魚祭り'95エキサイトステージ〜殿はご乱心でおじゃる〜』の日以来だ。
凶悪犯に成り得る人材探しに、タイのキックボクサーに犯罪を犯させようと勝手にタイまで探しに行ってたんだっけ。この人。僕やムガル先輩がどれほど心配したか解らないのに。この人は全く・・・。
「いいか、プーチン。お前には今から『民家に立てこもって篭城する殺人犯』に成りすましてもらう。
いいな。ここにある無線機は、警察に直接繋がる。お前が犯行声明するんだ。やれ!」
「ででででで、出来ません!!」「ちっ、使えねぇな!まあいい。あたしがやる。お前の声真似くらい訳も無い。なんてったって昔は江戸屋猫八の弟子だったんだからなぁ」「子猫は」葵ちゃんがさも可笑しそうに茶々を入れる。手に持っているのはライフルだ。この子は本当は西陣織さんよりタチが悪いかもしれない、と思った。
「いいか、プーチン、万一逃げよう、なんて夢にも考えるんじゃねぇぞ。今お前は県内の全警備員が躍起になって殺そうと狙ってる身なんだ。はっきり言って、ここがお前にとって最も安全な場所と言っても過言じゃない。大人しくしてるのが利口だな」
「西陣織せんぱーい、二人の殺人じゃあまだ極悪犯罪者とは言えませんよ。どっかで一人殺ってきましょうか?」「ああ。それもそうだな。じゃあ警察に立てこもりお知らせテレフォン入れる前にどっかで頼む。早めに発見されるようにな。手口は解ってるか?」「肛門にぃ」「塩素!OK!行って来い!」
やっぱり葵ちゃんは危険だ、と心底思った。いや、確信した。そして、午前4時5分、葵ちゃんが帰って来ると同時にマスコミが騒ぎ出した。3人目の死体が上がったのだ、と言う事も僕は知っていた。
僕らは、問答無用確実に地獄行き大決定だろう。
そして西陣織さんが、無線機を警察無線の周波数に合わせた。
「ツーツーツーこちら静岡県警」
「どんもー毎度お世話様ですぅ3人殺しました!3人殺して来ました私が凶悪犯プーチンで御座いますぅ
えー現在ですねぇ玉筋魚村の民家に立てこもっておりましてぇ、はい。あ、はいそうです。