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【過去作】私の青空2 プーチンクエスト【2000年(16歳)】

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「おい五十六」「はい?」「黙れ」「え?」「いやいやいやプーチンさんよくいらっしゃいましたぁささ! こちらへどうぞ延命茶も冷えてますよぉ」この時五十六の頬に出来たアザは1時間消える事は無かった。

そして西陣織家。

「いやいやロシアから!長旅ご苦労さんでした」「うむ」「そんでストレス溜まってつい人刺しちゃったんでしょ?私もよく家畜でやっちゃいますよ」「いや、そうでは無くて・・・」「解りますぅあの肉切り包丁が切り刻む感覚!堪んねぇや、ゲヘゲヘゲヘあっ!また胃液が」「私はそれとは違う!」
「あれっ、何キレてんだこのおっさん」「実は今の連続殺人犯は私では無いんです」
応接間の二人を尻目に、台所の五十六と葵。「ちょっと五十六さん、西陣織先輩どういうつもり? 罪人をかくまったりして」「いやあ、あの人にも時々人間らしい『慈悲』の心を見せる事があるんだよ」
「本当にそうかなぁ・・・」「まあまあ。よし!できたぞ、夜食の『フロッピーディスク醤油和え』!」
「そうか、フロッピーディスクもドクター中松の発明品だったのよね」「ピョンピョン跳ねるだけじゃ無いって事だろうな!」「でも逆に言えば、フロッピー発明した時点で辞めとけば良かったのにね」
「・・・・・・」「・・・・・・」「まあ、とにかくこれを応接間に持って行こう!」「うん!」
応接間は入るなり一面酒臭くなっていた。「はっはっは、プーさんの人殺しめー」「違うってー」
「まあうちの警察署に来たからには宝船に乗った気でいなさい。ははは・・・おっ!二人ともそんなとこに居ないで入ってきなさい」「はあ・・・どうも」「紹介しましょう。万年2等兵捜査一課係長のバカ五十六と一般市民の関屋葵ノ上ちゃんです。これからはこの二人があなたを保護に当りますので」
「えっ、ちょっと西陣織さん、僕明日から非番・・・」「私一般人・・・」「キッ」「・・・何も不服では御座いません」
「まあうちの署はなんといっても実績があるので。プーさんご存知ですか?3年前の『ずうとるび川氾濫事件』。あれなんとかしたのうちなんですよ」「・・・結局川を静めたのは僕とムガル先輩だったじゃないですか。西陣織さんは居なくなってタイ式キックボクシングの試合やってたでしょう」
・・・ドカッ。
流石に本場で鍛えてあるムエタイのキックは五十六の身体を暫し床に沈めるに値した。