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【過去作】私の青空2 プーチンクエスト【2000年(16歳)】

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椎本は再度銃の重みを相手に示した。「全ての誤算の始まりは、よりによってプーチンがあの遠山西陣織の家に助けを求めた事だ。それで家に立てこもられたあんたは焦った。プーチンを誘拐する計画がご破算になったってな。だから貴様は無謀とも思える、篭城現場への突入を俺達に指示したんだ」「ふふっ、全くだ。ブルガリアの連中を手玉に取っていた甲斐があったと言う物だ。俺とエルガーは奴らを楯にして銃弾を防ぎ、内部に進入した。そうでもしないと蜂の巣になるのは当然だからな。本来ならお前も死んでる予見だったんだが」「御生憎様。しぶといもんですね」「しかし!しかしだな、あの馬鹿女が油断している隙にプーチンは逃走、周りにはSATと、最悪のシチュエーションになってしまったんだ!そこで俺とエルガーは、生き残る為に、警察と手を組む事を共謀した」「俺も最初はあのSAT突入の時にお前ら二人とも死んだと思った。だがなぁ、俺が主治医の柏木ムガルに聞いた所、あいつが死亡診断書を書いたのは俺が殺したエルガーの物と、家の前に倒れていたブルガリア人二人の物と、まあ実際に死んではいないんだが警察を欺く為に書いた西陣織達の物だけだったと言っていた。
つまり、団長の死体分だけは何故か警察が持って行ったと言う事だ」
「それでピンと来たってか」「ああ。あんたがまだ生きてるってな」「そうか、残念だ。ああ、今度こそ本当に死ぬのか・・・」「今更命乞いは聞かないぞ。死ね」「何が?椎本、お前の方がだよ」
「!??」「ハッ!」「!!!」団長が全身の筋肉を伸縮させた瞬間、団長のズボンの裾から黄色い煙が立ち込めた。「名づけて、イタチの最後っ屁毒ガスだ。どうだ、椎本、身体の運動神経が麻痺してるだろ」
「か・・・か・・・」「どうだ。結局お前は俺の駒に過ぎないんだ。それも、将棋で言う『歩』だな。
惜しくも何とも思わない捨て駒だ」「く・・・俺は・・・駒じゃねぇ・・・」「ほざけっ青二才が!!あの西陣織達に何を吹き込まれた!貴様は黙って俺の言う通りに動いてれば良いんだ!」団長はもがいている椎本を見下すと、その床で這って落としたリボルバーを探している右手を思いきり足で踏みつけた。
「ぐああっ!!」「『歩』にしては中々良い働きをしたが、『金』には一歩届かなかったようだな」