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【過去作】私の青空2 プーチンクエスト【2000年(16歳)】

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「・・・ふう。もう大丈夫か・・・?」ここは、俗世間では死体安置所と呼ばれている所だ。
何しろ、警察署内に在るものだから、民間人の手出し出来る範囲外の場所だろう。
そこに置いてある人型よりやや大きめの棺桶の中から暫らくぶりに這い出してきた男は、まるで耳に入った水を吸い出す様に小さく何度もジャンプした。「ふう。手荒い事しやがって。何も仮死状態にする事ねぇじゃねえか」男は上着を深く着直すと棺桶の蓋を元通り正した。
「全くだ」「・・・!」「お陰で、貴様を探す手間が出来た」突如現れたもう一人の男は、
棺桶から出てきた男の背中に何か硬い物を押し付ける。「随分偉い目に合わせてくれたな、団長」
「・・・椎本、生きていたのか」椎本と呼ばれた男は、『団長』と呼んだ男に向かい、拳銃を突き付ける手をより一層強くした。団長は仕方が無いとでも言う風に諸手を天に仰いだ。
「団長、あんた、いや、あんたとエルガーは始めっからグルだったんだな。大方あんたらの正体は『七三分けの三』あたりの人間だろう」「ご名答」「そもそももしかしたら団長とエルガーの二人が始めから本物では無かったのかもしれない」「そこまで知ってんのか」
「これから言う真相は全て俺の推測だ。あんたは黙って聞いていれば良い」「・・・・・・」
「ブルガリア内部では、基本的に秘密主義だ。幹部でも首領の顔を知らない事がままある。
その為、ブルガリア全体を乗っ取るには団長と、そのお抱え運転手のエルガー、この二人さえ消せば十分だった」「ブラボー。続けて」「ではそこまでしてブルガリアを装って目的は一体何処に在ったのか。
それは『七三分けの三』主要メンバーの奪還にあった。現在七三分けのメンバーが先月の『ハッ!としてGOOD!』ロシア大使館立てこもり事件で逮捕されたのは記憶に新しいだろう。
お前は、プーチンをわざと檻から出しそしてプーチンの仕業に見せかけ殺人を犯し奴の逃げ場を無くす。
その後にゆっくりプーチンを誘拐してロシアの七三分けメンバーの釈放を要求するつもりだったんだろう。俺はまんまとお前の掌で転がされてたって訳だ」「なかなか、良い働きをしてたぞ」ガチャッ。