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【過去作】私の青空2 プーチンクエスト【2000年(16歳)】

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あっちの世界には無い温度と言う概念。そして、二度と同じ笑い方をしない葵。
それを守る事が出来た後なら、俺の命位幾らでもくれてやるぜ。
どうやら、弾丸は急所を外れて貫通してくれたようだ。まだ動けるか・・・?
葵が、まだ眠らせないと言っている。
俺は、夥しい血痕の血溜まりの中から乏しい最後の活力を振り絞り
床に落としたリボルバーを拾い上げた。随分と安物の鉄の匂いが鼻に付く。
自分のすべき事は、何もかも解っていた。

葵。お前の俺は幾らの比重を・・・?



三、鳩豆五十六 「再会」

「うあっ!」胸くそ悪い寝汗でシーツが滲む。五十六は再び眼を閉じ、思う所に近づいてみる。
嫌な夢を見た。西陣織さんが自分の頭部を銃で・・・本当に嫌な夢だ。
・・・夢なんだろう?僕はそんな光景見ていない。そうさ。
今でも僕は瞼を開けると西陣織さんの家の中に居て、何一つ変わらないみんなが、西陣織さんが葵ちゃんが椎本さんがめざましテレビの中では大塚アナが笑ってくれてるはずだ。3で目を開けよう。
1。2。3。眩しい光が飛び込んで来た。「皆ごめん、寝過ごした」
-silence-
・・・何故だ?誰か側に居るんだろ?返事してくれよ。
嘘だろ?ここは・・・何処だ。落ち着け。深呼吸。
・・・
現実を真に見据える事に決めた。ここは小さな個室で、窓が一つ在ってテレビも一つ在る。
そして僕は今ベッドの上に寝かされている。そこで、僕は右二の腕に点滴の針の様なものが刺してある事に気が付いた。以上の考察から、大分の予想が付いた、ここは病室の中か・・・?
ふと気付くと枕元に何らかのリモコンが置いてあった。まあこうゆう状況でリモコンが置いてあるとしたら大抵はカラーテレビのリモコンだが。手に取り、心の奥では鉄人28号が飛んでくるといいなぁ、なんて考えつつスイッチを押す。瞬間だった。
「ガッ!!ガッコン!チョイン!プルッチョン!」「なな、何?」あまりにも唐突で驚いたのだが、
天井から無数のプリンが落ちてきた。肌や髪にゼラチン質が纏わり付く。「ななな、何これ!」
「あっ、お前何勝手にリモコン触ってんだ!」プリンのカスタードとカラメル色素まみれになった部屋に誰か入ってきた。・・・?どこか聞き覚えのある声。「・・・あっ!」「そうだ、俺だ。やっと気付いたか」