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郊外物語

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の下のラムを取り出して。クーラーからワインを取り出して、グラスに半々に入れて、一ッ気。もういっぱい。一ッ気。変な感じになってきた。眠くて我慢できなくなるまでここにいよう。ベッドに入ったらコトンと眠れるようにしよう。寝室で起きていたら、何するかわからないからね。壊れるのなんて簡単なんだからね。はずみや反発で行動しちゃだめでしょうに。おさえて、おさえて。さあどうしよう。なんて言ってやろう。答はすぐわかるでしょう、おりこうちゃん。今すぐには、何にもしない、何にも言わない。がまんするのには慣れている。辛抱ではだれにも負けないわよ。さあ、ゆっくりと考えましょう。しかし、ああ、酔っ払ってしまった。頭がもう働かないよ。あの写真を見てオナニーでもしてきたのかしら。まさか私としてる最中にあれを思い出してるんじゃないでしょうね。あんな、か弱い、途中で息絶え絶えになるに違いない富美江なんかと比べられては困るわ。富美江を思い出せないぐらいにこれからベッドでいじめてやろう。精魂尽き果てて想像する力や回想する力が勃たないようにしてやろう。私は床上手だからね。あれは確かにあそこにある。冷静にこの事実を受け止め、これが今後の生活に意味を持たないようにしていこう。写真をあそこに隠していることを、義人自身が忘れてしまうほどに、これからの日常を確固としたものに感じさせなければ。もしかして、義人があんな写真を今だに隠し持っているのは、私が性的に健康で、陰日向がないところに、贅沢な不満を持っているからかもしれないわ。セックスで、もっと陰のある、はかなさもあるところをみせなくちゃ。変態っぽいのもやってみよう。あれ以上の写真かビデオを撮らせようか。義人は、かなり上等のカメラを持っていたはずだわ。どこにしまったっけ。まさか、富美江を撮ったのと同じカメラじゃないでしょうね。当時のことを思い出させちゃうな。そのほうが、かえって興奮するかぁ? しかし、同じ土俵に立って、比べられたってかまわない。こっちが結局勝つんだから。携帯を使ってもいい。静止画でも動画でも撮れる。解像度も高い。そうだ。ビデオもデジカメもいいけど、愛用のカメラか、便利さ抜群の携帯かだな。どっちを使わせようかしら。
作品名:郊外物語 作家名:安西光彦