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恐怖の女

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「ありがとね〜〜、マユミ〜〜」
「ううん、全然。それにしても良かったよ〜、メグミが変な男との縁が切れて」
「ふふっ。マユミのおかげ」
 そう言って私は、私が一番可愛く見える角度で綺麗に笑った。
「メグミは可愛いから、気をつけないと〜」
「えー? マユミも可愛いよぉ?」
「も〜〜。メグミ大好き〜〜」

 あーあ、本当に単純だな。この子。
 友達も少ないから私の頼みだったら何だってきいてくれるし。
 
 でもウケたなぁ。あそこまでやるとは思わなかった。
 別に嫌いになったわけじゃなかったんだけどね、タケシくん。
 なーんかでも飽きちゃったっていうか。

 でもほら、女の子はいつだって可愛く思われたいじゃない?
 たとえそれが別れの時だって。
 
 マユミに頼んだのは正解だったな。この子くらいブサだと、こっちも頼みやすい。
 生れながらのピエロって感じなんだもん。
 そういう意味ではタケシくんもそんな感じかなー。悪くは無かったんだけどね。
 
 さぁてと、次は誰と付き合おうかなー。
作品名:恐怖の女 作家名:有馬音文