【黒歴史】 全速力で走る霊 【2002年(18歳)】
生きていても、仕様の無いクズだ。
俺の何十倍も死んだほうがましな、クズだ。
俺は、ナイフを頭の上まで思いっきり振り上げた。
そこで、考えた。
ここでこいつを殺すのは、テロと同じだ。
俺が殺人を正当化したら、テロリストよりずっとクズになる。
俺がこれ以上クズになっても、沢村は・・・浮かばれない。
ナイフを床に落とす。カラン、と音がした。
「お前は警察に渡す。法的措置を受けろ」
その頃になってようやく、サイレンが聞こえてきた。
遅いよ。日本の警察。
次々と並ぶパトカーの赤色ランプが、俺達を焙り出した。
作品名:【黒歴史】 全速力で走る霊 【2002年(18歳)】 作家名:砂義出雲