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【黒歴史】 全速力で走る霊 【2002年(18歳)】

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俺みたいなクズに優しくなんかしないで下さい・・・」
俺は走り出した。
「相島君!」
新田さんを見ないようにして、俺は、
全速力で病院を出た。

今の俺は空気が入りまくって失敗した
穴ボコだらけの卵焼きみたいだ。
そこに優しさの水を注ぎ込まれると、
それで満たされた気になってしまう。
心の領域を明け渡してしまいそうになる。

多分俺は愛なんかを求めるには変態すぎる。
愛なんてものは俺に対して高尚すぎる。
愛なんて汪汪しいものは俺の器に収めるには
あまりにも気兼ねする。

太宰治は『人間失格』の中でこう書きました。
『女のいない世界に行きたい。』
その気持ちが今なら良く解る。