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【黒歴史】 全速力で走る霊 【2002年(18歳)】

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怖いのか・・・?そんなはずはない。
もう、世界には、何も期待しないんだ。
僕は、幽霊になるんだ。
目を瞑って、思い切って今度は手早く、
カッターを横一文字に引き裂く。
「痛えええぇ・・・!!!!」
想像だにしなかった、過去に経験した
事のない電流が走ったような激痛を感じた。
「痛、痛えよ、バカ、痛ぇよ・・・」
堰を切ったように涙がとめどなく溢れた。
滲む景色の中、傷口にタオルを押し当てる。
みるみる間に真っ白なタオルが真っ赤に染まって行く。
「痛ぇ・・・・・・・痛ぇ・・・・・・痛ぇ」
滲む視界の中、意識はいつまでも遠くならなかった。

結果的に、僕はその日の晩も生き長らえてしまった。
タオルを強く押し当て過ぎたんだ。
今回の自殺未遂は、静脈二本の半切断と、
神経をちょこっと傷付けたまでで終わった。
主動脈を切らないと、死ねないのに。
何故、タオルなんか押し当てようと思ったのか。
何故、土壇場で死ぬのが怖くなったのか。

僕は弱いんだ。
僕は怖いんだ。
僕は弱いんだ。

沢村現は、その日の深夜2時、家を抜け出して、
例の場所に向かった。