【黒歴史】 全速力で走る霊 【2002年(18歳)】
この4月からホームレス暮らしをしている。
昼間は建設現場でアルバイトをしているが、
借金を返す為の金は全て酒代に消える。
以上が北島の愚痴的な発言の一部。
だって、一方的に喋り出して来たから、
全部覚えている訳は無い。
でもとにかく、俺は夜明け近くまで
このおっさんの話す事を聞いていた。
帰路に着いた時にはもう朝日が真っ赤で、
安物のセロファンみたいに街を染めていたんだ。
最近、写真を撮るのが好きになった。
こんな汚れた街を、例え潰滅寸前の世界の一握でも、
俺独自の視点で切り取って永久保存してみたいと思った。
よくある感傷か?エゴ。
作品名:【黒歴史】 全速力で走る霊 【2002年(18歳)】 作家名:砂義出雲