【黒歴史】 全速力で走る霊 【2002年(18歳)】
それは俺が、変態だからなわけで」
「別にさぁ、愛がどうのとか、友達だとか、
そういうこと気にしないでいいんじゃない?
やりたくなったらやりゃあいいし」
神様、俺はまた本当に人間が解らなくなりました。
そんな事を言う女は、世界に何人ぐらい居るんですか?
「では、それで例えば俺と新田さんが関係を結んだと
しよう。そこに間違い無く『愛』は無いよな」
「完全な愛なんてねぇ、無いの。
世界中何処にも。じゃあまた」
それだけ一方的に言うと、新田尚子は
すたすたと去っていってしまった。理解不能。
最後の一言がいつまでもリフレインしていた。
その日の夜、考えたこと。
俺は今まで、人間関係における解釈をこう捉えていた。
嫌われるのは、多分簡単だ。一瞬で可能だ。
好かれるのには、多分努力が必要だ。時間も必要だ。
社交性が皆無な俺は、努力をしない限り、
人間に好かれる事は無いだろう。
俺は、人に好かれる努力をしない。
だから、誰も人間との交流を望まない。
だから、もう誰にも、裏切られる事は無い。
裏切られるのは、懲り懲りだ。
と。
だけど、沢村と言い、新田さんと言い、
最近の俺の周りは、どうかしているようだ。
特に恐ろしいのが、携帯電話の発達だ。
基本的に、俺は電話に出る事に対して恐怖心がある。
顔も見えない相手と話すのは、
背後から殴られているような気がする。
しかもあいつらは、俺が
何処で何をしていようが、知らずに介入して来るんだ。
『知らない』と言う事が罪だと思う理由の一つ。
俺は、クズだ。
俺と話していて楽しくは無いだろう?
俺はエロだ。それとも標準なのか?
標準て何だ?グローバルスタンダード?
もう、何もかも訳が解らない。
作品名:【黒歴史】 全速力で走る霊 【2002年(18歳)】 作家名:砂義出雲