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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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ぼくがであった鬼

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 またまた卒倒しそうなぼくをお兄ちゃんが抱きかかえてくれた。

 お兄ちゃんとぼくそっくりの男の子ロキは、角のある宇宙人だった。
 この人たちは、先祖代々よく地球に来ているんだって。これで鬼火山の伝説の実体がわかった。鬼火の正体もね。
 宇宙船が不時着したのがちょうどぼくたちのいた場所で、そのときぐうぜんぼくとロキはいれちがっちゃったんだ。ロキの角は一本でぼくのたんこぶと同じくらいだった。だからまちがえられるのもむりはない。
 友だちになったよしみで、宇宙人はぼくたちを宇宙船に乗せてくれた。船内はすっきりしてて、思ったより広い。テレビで見たスペースシャトルの中みたいだと思っていたけど、全然違う。
「ヒロキ、操縦してみるかい?」
と、教官が言ったので、ぼくは二つ返事でやらせてもらうことにした。
 操縦桿はまるでゲームのコントローラーみたいなのですぐに覚えたら、教官がすごくほめてくれたんだ。
「ヒロキ。君は天才だ」
 調子に乗って、宙返りもしちゃった。
 ロキはというと、お兄ちゃんとむずかしい話をしている。
「いやあ、君は地球なら超エリートだ」
 お兄ちゃんが感心していると、教官が、
「そんなことよりもっと遊んで、宇宙船の操縦くらいこなしてほしいよ」
と、ため息をついた。
 どうやら地球とロキの星ではエリートと落ちこぼれが逆らしい。
「入れ替わってみようか」
「うん。いいね」
 自動操縦に切り替えてから、お兄ちゃんと教官が話をしているとき、ぼくとロキはこっそり服を交換した。これで見分けがつかないぞ。
 あっという間にロキの星についた。何もかも地球とそっくりだ。でも、地球よりも科学が進んでいる。
「太陽の裏側に隠れているから、地球からは見えないんだよ」
と、ロキが教えてくれた。この星は、太陽を挟んで地球の反対側にあるんだって。いつも地球と同じように動いているから、わからないんだそうだ。
 宇宙船が着陸した場所は学校だった。ロキは操縦の実習をしていたんだ。教官がお兄ちゃんと(ほんとはロキの)ヒロキにいろいろ説明をしているところへ、ロキの友だちがやってきて、ぼくを取り囲んだ。
「おーい、ロキ。うまくいったかい?」
「もちろんさ」
 ロキになりすましたぼくは得意になって言った。
「本当かい? 一番操縦がヘタなくせに」
作品名:ぼくがであった鬼 作家名:せき あゆみ