秘密の生徒会
第1話 秘密
今、私は生徒会室の前に居る。
何だか、ココの部屋だけ空気が重い…。
ゆっくりと深呼吸した後、ドアを二回ノックした。
中から、『どうぞ』という声が聞こえたのを確認してドアを開けた。
「し…失礼します!私、2年B組の佐々木 捺と言い…」
最後まで言い切れなかった。
中の様子が異様だったから…。
『君が今日から生徒会に入る子だね?僕は七瀬 幸岐だよ。よろしくね』
ニコッと微笑みかける、私の憧れの生徒会長である、七瀬先輩。
その手には…戦隊モノのフィギュアとアニメキャラのフィギュアが握られている。
それだけじゃない!
部屋の中に、所狭しと並べられたフィギュアの数々。
生徒会室というよりも、趣味の部屋状態。
開いた口が塞がらない。
『……どうしたの?具合でも悪い?』
「え!?あ…いや…」
何と言えば良いんだろ…。
言葉に困っていると、副会長の新崎 諒先輩が口を開いた。
『そいつの持ってるモノの事だろ?多いんだよなー。幸岐目当てで来る奴』
はぁと深い溜め息を吐いて、更に言葉を続けた。
『幸岐がオタクだって判った瞬間、辞めてったよ。あんたもその類だろ?』
妙に納得した。
だから、みんな辞めてったんだ。
副会長が怖いって聞いてたけど、違ったんだ。
「…確かに、私も七瀬先輩目当てですよ。だけど、こんな事くらいで辞めません」
別にオタクだって良いと思う。
こうして私は、生徒会の仲間入りを果たした。