小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

若返りの泉  TWENTY

INDEX|5ページ/20ページ|

次のページ前のページ
 

5  カメがキライだなんて!



 高校の剣道部は男子部員ばかりだった。剣道をやりたい私は、1年の2学期から入部した。時期を同じくして入部した女子は、1年生が4人である。男子部員たちと一緒になって練習に励んだ。
 男子はほとんどすべてが私より背が高い。
 かかり稽古をしていると、真上から竹刀が打ちおろされる。
[星がチカチカ]
と頭の周りに浮かぶのはホントのことだった。

 2年生になると、新入部員が入ってきた。女子は3人。そのうちの1人Nは経験者で、段位をすでに有していたつわものである。

 夏休みの合宿があった。男子は学校に泊まりで、女子は通いである。午前と午後、3時間ずつの練習。

 昼休みのこと。
 学校の中庭には大きな木や花壇、池もあってベンチが置かれていた。そのベンチにNが横になって寝ていた。
 すぐ横の池の囲いの石の上に、手のひらを両手合せたぐらいの大きなカメがいた。それをつかんで彼女の眼の前に持っていき、彼女を起こした。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜」
 天を射抜かんばかりの叫び声。
 職員室から先生が飛び出してきた。
「なんでもないんです、スミマセン」

 いきなり目の前にカメがいたから叫び声をあげたのだろうと思い、ゆっくりと差し出したら、
「カメはキライ、爬虫類も両生類もキライです」
と、手のひらをひらひらさせながら彼女はのたまう。
 私はびっくりした。ヘビはともかく、愛きょうもんのカメを嫌がる人がいるなんて、信じられなかったから。

 我が家では、外で捕らえてきたカエルは家の中の植木鉢に放してやっていた。
 ほとんどアマガエルだが、次第に外へ出て行って、いなくなる。
 母が踏みそうになると、
「そこカエルがいてるで」
と叫んだものだ。

 ひょっとして、踏まれたり掃除機に吸われていたのかしらん。