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【完結】紅ノ姫君-アカノヒメギミ-

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 獣、その単語に何か引っかかりを覚えた。

 獣の眼をしていた、五条五月。最後の赤い魂の女の子。


 紅ノ姫君
「ヒロさん、事情聴取はいいけど、眼鏡か、それともサングラスか何かない?」
「受ける気になったか、で眼鏡?さぁな、お前の親御さんに聞いた方が早いんじゃないのか?」
「この家で事情聴取するの?」
「そうだ。」
 階段を引きずり下ろされて一階へ。一階には上柴という警察官他三人と、両親もいた。母さんが何か話す前に僕は言った。
「水と、何か食べるものちょうだい。あと眼鏡かサングラスってウチにない?度が入ってないのがいい。」
 虚像から魂の色を見ることは出来ない。見たくないのなら、見る必要がない様にするだけだ。見えなくなっても、もしかすると人を殺すことが出来るのかもしれないが、それはもうそうではないと信じるしかない。
 父さんのサングラスを借り、三日ぶりの栄養を胃に入れながら事情聴取に望んだ。

 殺人事件は、まだ終わっていない。
 僕にはまだ、やることがある。