伝説の……
R:red――赤は、止まれ?
考えたこともなかった。
ずっと一緒だった男の子が誰を好きなのか、なんて。好きな人、やっぱりいたんだ。ダイヤの時は結局、わたしが砕いちゃってうやむやだったけど。誰か別の人にあげる予定、あったのかなぁ?
すきなひと、なんて。
ドキリとする。わたしの好きな人って、誰だろう。そりゃあ、ハル君のことは気が置けない幼馴染で、むしろわたしのファーストキスを溺れながらも奪った人で、もう切っても切れない腐れ縁で、いつでも一緒にいたくて、一番話すのが楽しくて、ケンカもできるし、笑うと結構カワイイときがあるし、昔から頑固で、そこがたまにかっこよく見えたりもするけど。
でもでも、スキなひとなのか、わからない。
ほんとうのすきって、どうすればわかるの? 青色みたいに、てきとーに決めろって言うの?
だから、ズルイ。結局、答を教えてくれないなんて。気になる。決闘よりも、気になるよ。
「あと一つだろ? 決着がついたら、教えるよ」
どこか赤らんだ顔でそっぽを向いて、そんなことを言う。ずるい!