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Zero field ~唄が楽園に響く刻~

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それもそのはず、もう二人は今の記憶に満足しているし、覚えてない事をあれこれ考える、と言う事を面倒と考えているからだ。
ショウはどうでも良さ気な質問を投げかけられて、パンを飲み込んでどうでもよいさ気に
「あぁ、そうだな、そう言えばなんでないんだろうな」
その対話を聞いてたイナは、構わず前にある食料にフェニックスと一緒にかぶりついている。
バルトはそうは行かない、昨日も宿屋で一人さみしく眠らされたから、少し機嫌が悪いのだろう。
「なんなんだ、どうでも良さ気にすごい会話しやがって、記憶がないってお前ら、親の顔も覚えてないってことじゃねーか!」
ショウとテンがバルトを見て、あぁ〜と言う感心した声をもらした。
バルトは、はぁ?と言った気の抜けた声をもらす。
「別にどうでもいいもんね〜、私達生みの親知らないけど、感謝はしてるもんね〜」
とテンがやっぱりどうでも良さ気に言った。
つまり、感情はこもって無いわけで、バルトは眉間にしわを寄せる。
相変わらずフェニックスとイナの勢いは止まらない。
お金は道中倒してきた魔物の金になる部分を取って売っているので、イナがあと5回おかわりしようが10回おかわりしようが余裕があるだけのお金を持っていた。
と言うより、鍛冶屋で働いてた時の3割のお金はいつも持ちあるいていたショウは、それだけで、2人が1カ月都市で生きれるだけあるのだ。
つまり、まったく困る事はない、が贅沢もしなかった。
「大体な!お前たちは!」
バルトの説教をショウが、左手の人差指を立てて遮る。
完全に他の客の注目の的になっているのである。
バルトは少し恥ずかしそうに、朝食を静かに食べ始めた。
ショウもテンもイナもさっきと同じ調子で食べ続ける。
イナは違う意味で注目の的だった。
「おかわり!おばちゃんさっきと同じのあと2皿ちょうだい!ものすっごいうまいの!」
「あらあら、ありがとうよ。しかしよく食べるわね〜、私たちゃ喜んでもらえてうれしいよ。」
それは心からの言葉だった。
ショウはオクトリクスの人は心のよい人ばかりなんだなぁと思いながら、イナの頬をつねる。
いたた、と声を上げるイナにショウは無言で訴えた。
「わかったわよぉ、次の2皿で終わりにするからー」
とちょっとむくれ、さもまだ物足りなそうに言う、イナはまだまだいける、軽くあと5皿はいけただろう。
ショウは、金銭の事より周りの客の見ものになっている事を考えていた。
食事が終ると、ショウ達は港に向かった。
イナのお腹は全然膨れていない、フェニックスのお腹も全然膨れていない、フェニックスは精霊だからだが…。
バルトはイナのどこにあの量の食事が消えたのか不審がっている様子だった。
港についたらショウ達は船に乗り込んで、間もなく出発した。
船の上での生活は1週間だった。